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2020.09.30 Wednesday

スコルピオン死の舞い

 ゴミのポイ捨てを注意したら逆切れされたなんて誰しも経験したろうが、万一ないとしたら貴様は強面かヤクザか官憲か、或いはポイ捨ての現場に立ち会わなかったのかも知れない。運が良い。私など何度も出くわし、声を掛けては無視され論点をずらされ暴行を受け、事案として区報に載るなどまだまし、短刀で斬り付けられた事すら三度ある。腹と首と頭に今も傷跡が生々しく残っている。特に頭皮と首の無惨さは読者諸賢の想像を超えるものと思う。これらの傷が原因で、私はスキンヘッドに憧れても(憧れてはいない)髪を剃り上げられず、首が右九十度に曲がった状態から元に戻らない。おまけで我が夫となる者は更に醜い物を見ることとなるだろう。それはそうとクシャナさん結婚願望あったんすね。ドスケベセックス条例の施行された島とか行ったらいいんじゃないすかね。

 ドスケベセックスはさておき、生まれて間もなく脳が髄液でふっくらと圧迫された私こと大天才美少女キリコ、何度となく手術を受けてはスキンヘッドにされた稀有な経験を持っている。前段落のエピソードはお忘れいただきたい。で、稀有というのは剃刀を握ったのがインターンの医師共だった点である。何が悪いか。結果から申し上げると毎回血塗れにされた。無論これは仕方のない部分も多い。何しろメスすらまともに握ったことのない若者が、なお縁遠い剃刀で髪を剃るのだから元より無事に済む公算は少なく、また目の前に横たわる美少女の輝く御髪に手も震えたことだろう。インターンに動揺をもたらした自分の美貌が恨めしい。というわけで、悲しきかな、毎回剃髪中の五秒に一度は刃を立てられたのだった。とても痛かったが、それを口に出したら更に手が縮むのは火を見るより明らかだったので、近親者からの暴力に耐えるが如くじっと口を結んでいた次第である。

 以上から私の頭皮は、今でも手術痕と剃刀傷にまみれている。

 手術と言えば、全身麻酔から覚めると見知らぬ天井、家族と医師に覗き込まれて無事成功した事を知る場面など、読者諸賢は見たこともあろうが、少なくとも私はそんなに悠長ではなかった。麻酔の切れた激痛で目覚めると集中治療室に運ばれるところで、悲鳴を上げれば看護師が我慢しろとうるさく、それではと堪えて両親に微笑みなどすればお涙頂戴で気色悪い。天井など眺める余裕はないし、そもそも病院の天井なんてどこも大して変わらない。何一つ綺麗事は介在せず、麻酔明けでしんどいのに、周囲との関係に困り果てるだけなのが、私の見知らぬ何とかだった。

 何故だか無性に腹が立って来たので、今後病院関係をは小汚く描写する事に決めた。あとポイ捨てはやめてください。見かけたら頭蓋骨砕いて満鉄のバラストにしてやるぞ。

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