2019.04.25 Thursday

小岩ゼテギネア時代

 ウラジオストクについて書いたらアクセスが百倍に増えました!
 などという奇跡は勿論起こらない。ここから百日か一年か、ひたすらにロシア情報でも流し続ければ話は別だろうが、生憎と三泊四日極東分の経験しか持っていない。それもキリル文字すらまともに読めない状態での四日間である。地元の方との会話もほぼなく、すみません、写真、日本人、幾らですか、美味しいくらいしかロシア語を発さなかった。キオスクでバスマップを買ったりカフェに入ったり路面電車に乗ったり軍事博物館で高射砲を回したりと夢は多かったが全て次回に持ち越しである。
 しかし、初めての単独海外旅行はそれでも非常に楽しかった。今まで訪れた台湾やマカオと言った中華圏、ハワイのような全身観光地とは違い、またヨーロッパでありながら観光化されておらず、日本人の気配すら感じない街を歩くのは実にスリリングなものだったし、ガイドブック情報を頼りに訪れたレストランはどこも安くて美味しかった。あと道行く女性が尽く美人で長身でカモシカのごとき脚を持っていた。我々は遺伝子の段階で負けている。
 街行く人種は金髪の白人が多く、女性は上述の通り、男は背が低めでむっちり大きい格闘家体型、それに多少のコーカソイド、中国人と韓国人から成る東アジアのモンゴロイドと多種多様、日曜日には国境から長距離バスで訪れる中国人をよく見かけた。地元民から見ても中国人が多いらしく、ニイハオと声を掛けられる事が何度かあった。まだまだ日本人は馴染みがないようである。だから、昨日の繰り返しになるが、今のうちに行っておいた方が面白いと思います。
 建築は欧州式の古い物が殆どで、日本統治時代の銀行がそのまま裁判所として使われていたりと、関係の深さを感じる。一軒家はない。ソ連時代のアパルトマンをそのまま使い、或いは郊外に住んで仕事は市街地に来る。そのせいか道路の一車線は駐車用に割り当てられ、朝と夕方にすさまじい渋滞が生じる。
 当地にはロシア出兵など、過去うちの国が非常に申し訳ない仕打ちをしたが、今の方々はあまり気にしていないようでもあった。その証左と言えるのかどうか、博物館のお土産屋で日本人である事を告げると、齢八十くらいの婆ちゃんが、日本兵の映る絵葉書を薦めてくれて、こちらが恐縮した程だった。だからって私達がもういいじゃんとか言う訳にはいきませんが。
 ロシアの特徴として、大都市には必ずミリタリーショップがある。ウラジオストクにも三軒くらい。私が入ったのは地元軍人の御用達という店で、プーチンからラブロフからスペツナズっぽい兵士から、物騒なプリントを施したTシャツが所狭しと並んでいた。また大祖国戦争(独ソ戦)への拘りも強い。多くのグッズに1941-45の数字が刻まれている。
 港に出るとその傾向はまた顕著であり、太平洋艦隊本部の近くには戦死者を悼む火が燃え、当時の野砲が空を指し、一つも意味は分からないものの、何となく栄光を讃えるっぽい碑文がそこかしこに見られた。次行ったら少しは読めるだろうか。
 ところで私が訪れた七月一日はウラジオストク市の日である。広場に大きなステージが立ったり目抜き通りでパレードが行われたりと非常に賑やか。お馬さんもいたので皆様、折角訪れるならこの日を含めた旅程にするとよろしい。運が良ければ生でурааа!!(ウラー!!)も聞けます。
2019.04.11 Thursday

白湯デトックスのすすめ

 世間は碌でもないニュースばかり行き交っております。そのようないざこざと関係ない世界に引きこもってしまった身ではありますが、どちらを向いても悪い報せばかりでは流石に気も滅入ります。
 新しいマックオーエス様は、何やら変換機能が気の利いたものになり過ぎて、逆に使い辛い。具体的には勝手に私の文章を予測して漢字を出したり消したり果ては語尾まで提案してくださる。非常に大きなお世話で止めて欲しいが設定を開く方が面倒臭い。こんな風に文句をたらたら書いている現状から類推して、自動的に機能停止してくださらないものか。如何ですか。ヘイSiri。私の言葉を支配するのはいい加減にしてくれないか。
 調べたところ、どうやらライブ変換と名乗る機能だそうで、せっかく頑張ってくれるのに申し訳はありませんでしたが切りました。善意はいらんのであります。
 ライブという語感を見る限り、キータッチの順番からリアルタイムに人間の思考を先取りしてくれるようです。便利なようで恐ろしい。AIの発達を現在進行形で見せつけられた気分です。
 ここから二十五年ほど過ぎれば機械の知能が人間を追い越すそうですから、そこまでの半分か、十年ちょっと経った頃には、ライブ変換の精度も上がるどころかアカウントの個性から裏で調整して、事務的な文章くらい自動的に生成してくれるのではないでしょうか。否、研究機関レベルならその程度は既に実現しているかもしれない。東京大学だかのAIが、ライトノベルのデータベースから新作長編を生み出し、賞を獲ってしまったなんて話があったような気がします。無かったような気もしますが有りそうな話でもあります。込み入った表現で申し訳ないが、計算機の現状は最早どこまでが出来てどこからが未来なのかよく分からない。一世代前の人々が、ビデオゲームをピコピコと一括りにするのに似て、私は先端技術を未知で括って感心してしまう。いつかの未来に踏み込んだ迷子の様相であります。
 年寄りみたいでいけない。元より貧困な想像力を更に狭めぬよう気を付けねばなりません。そしていつか首元にコネクタを突っ込み、ネットの世界に精神を移して永久に読書を楽しみたいと思っております。それが無理ならせめて機械の体を手に入れるか、それができる未来まで冷凍冬眠して行きたい。
 そう言えば、アメリカ横断ウルトラクイズの優勝賞品にコールドスリープ権がありました。後に死亡事故を起こして問題になりましたが、冷凍冬眠って可能なのかしら。出来たとして、ちゃんと意識は消えた状態で眠れるのでしょうか。万一、冬眠中に意識だけ残ったら最悪ですね。と、母が言っていました。同様に、脳みそだけ保存できたとして、剥き出しの神経が滅茶苦茶に痛かったらどうしよう。まこと夢のない話ですが、現実的でもあります。SFから未来、そして実現にこぎつける過程は、かように泥臭いシラミ潰しに違いありません。
2016.05.19 Thursday

著作権を盗み出せ!

 海に行きたい。塩のない海に。それは湖です。バイカル湖にはアザラシの群れが泳いでおります、先生。アザラシとセイウチの違いはどこにあるのでしょう。牙の長さか大きさか、はたまた性格でしょうか。言葉すら通じないのに性格なんて分かるものでしょうか。分かるかもしれません。何せ私はたまに猫と通じ合った気分になる。しかし、猫は気紛れとか我が侭というレッテルを貼った上で付き合うからそうなるのではないでしょうか。犬と猫は動物の中でも特別では。人間にとっては。そう、人間にとってどのような位置付けにいるかで、内面の濃淡を決めつけているに過ぎません。私はミジンコに大した注意を払いませんが、それが大好きなリケジョにとっては一匹ごとの顔立ちから動きの特徴まで見えるのではないでしょうか。なるほど確かに仰る通り。私は台湾が大好きな分、他の凡俗どもよりミジンコへの思い入れも深いやもしれぬ。やも知れぬかも知れぬって先生はいつも推定ばかりです。だって知らない事を知っているとは言えないんだぜ。
 そしたらアザラシとセイウチの違いなんて分かりっこないではないか。
 バイカルアザラシとバイカルセイウチ(仮)の区別は後にして、茨城には霞ヶ浦という湖が存在し、滋賀県にはそれよりも大きい琵琶湖、鳥取にはもっと小さい中海と、狐につままれたような名前が並ぶ。これらの名は日本が一つの国に統一された今も変わらない。人間の主観は後々の客観を陵駕する、と言うより先に決めた者勝ちな部分で世界は出来ている。むしろ知られていない物事は名前だけ適当に付けてしまうのが楽なのかも知れない。また、断定できなかった。
 人類の歴史上、名付けは支配であり分断でもある。神が光りあれと命じた途端に光と闇が区別された話は有名だが、それ以前に光はなかったか。そんな馬鹿な話ではなく、単に神が光を認識出来ていなかったに過ぎない。原初は光と闇が渾然一体の混沌であった表現すれば神の功績も幾ばくかは認められるやもしれぬ。あっまた推定だ。何たる弱気。
 神さんが何か成したのを認めるとして、マーブル模様(B'z風に書くと欲望ぐるぐる)が一言で綺麗に二分割されるだろうか。実に怪しい。それって何か悪い力を使ったか、向精神薬でも飲んだんじゃないの。それは大いにあり得る。何しろ精神分裂病の人間は大抵誰か、存在しない者の声を聞く。声の聞こえる世界は、もはや目に映るままではいられないだろう。直線は曲がり、人の顔はかつて殺したモルモットにすり替わる。自分が信じた物は、それを理由に信じられない。部分的な混沌である。故に、向精神薬を飲んで世界に秩序を取り戻さなければならない。
 話を戻すと、YHVHさんも目の前の光と闇を見分けられなかったので、切れそうな所で切って片方に名前を付けたら上手く行ったのである。名付けたから見えただけの話である。ところでYHVHは発音できない名を無理矢理アルファベットに落とし込んだそうで、言い換えれば神が何者かを断定したら人間と変わらない水準になってしまうから、上位の存在に留め置くため捻り出した智恵である。断定が三つ続いた。
 同じ事はクトゥルフ神話にも書いてある。旧支配者の司祭であるクトゥルーと彼が眠る海底都市ルルイエは、人間には発音できない。無理矢理アルファベットに直したものがCthuLhu、R'lyehで、どう読んだら良いものか良く分からないが、そこはYHVHと同じく分かったような分からぬような曖昧さの中に留めおくのがよろしかろう。読めたとしたら神格化されたか、或いは正気を失った証拠なのだから。
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