2019.04.26 Friday

皇室ブロウジョブサービス

 平成が終わる。何がめでたいのか知らん、皆様こぞって時代に感謝したり新しい元号を言祝いだりと、馬鹿丸出しでとても微笑ましい。良かったな、優生保護法が廃止されてよ。今月末に渋谷でカウントダウンするような連中は、世が世なら全員卵管や精管を縛られ恐怖の半生を送ったろうよ。本当に良かった。馬鹿め。
 だってマジでカウントダウンやるんだもの。信じられない。
 渋谷だけでなく富士急ハイランドや地方地方の繁華街、おそらくは場末のスナックまでが大晦日よろしく、沸き立つ気持ちを抑えるか爆発させつつ元号が変わる瞬間を味わうに違いない。めでたがりにも程がある。そんなに祝いたければ毎朝毎晩神にでも感謝すれば良い。食事の前にも祈りを捧げなさい。いや一神教の信者方々は既にやっているのだった。失礼致しました。
 であるなら渋谷の連中は何でも神格化する汎神教者なのかも知れない。実際日本の源流はアニミズムだから筋が通っていると言えなくもない。全てが尊い神である。問題は広告屋だ政府だに唆されて簡単に祝ってしまう点で、いくらなんでもチョロすぎやしないかハラハラしてしまう。
 他人がチョロかろうと一向に構わないが、やがて大日本帝国の二の舞になるのではないか、私は半ば本気で心配している。もしそうなったら私や猫を巻き込まず、尖閣や沖ノ鳥島限定でどんぱちやっていただきたい。
 日帝と言えば、政府広報が天皇在位三十周年とか新天皇即位を国民こぞって祝おうとか抜かしている。ヤフー!のトップページなどに広告バナーで表示されるので私はよく目にするが、皆様は如何か。見た方は気色悪いと思ったろうか。私は吐き気を催したが貴方はどうですか。
 穿った見方だが、わざわざ天皇ネタを表に出したのは、リトマス試験紙だと思う。事実、物もサービスも薦めない広告である以上、テストに使っておかしいことは何もない。誰も文句を言わないなら次は何を書こうとか、好感度が高ければ何を進めようとか、頭の回る官僚だったらそのくらい考えるだろう。で、最近のお上はそんなボーダーラインを広げようとばかりしているように思えるが、如何だろうか。どうでも良いか。私も本当は興味ないです。
 江戸時代以前まで遡ると、元号も天皇も気に入らなければどんどんすげ替えたらしい。だったら今後もそうしてくれれば、無駄なお金や労力を使わなくて良いのではないか。静かになるし。あと皇居の半分くらいを国立公園として開放し、宮内庁を警備とメンテナンスに回せばハッピー令和にふさわしいんじゃないでしょうか。
 そう、カウントダウンの締めはハッピー令和と唱和すると聞いた。そこまで行くと、自分の影に追われているようにしか見えない。で、ポジティブとか前向きさへに対する強迫観念が高まり続けてきた平成の、最後の締めが元号信仰と考えるとまた何やら辻褄が合う。
 どうか令和は人の背中を押さず、だらだら歩いたり立ち止まったりを許容する時代であって欲しい。でないといつか、国民一億総インパール作戦に突入してしまう。
 真面目な事を書いて非常に疲れた。時代のせいだ。平成と令和には猛省を促す所存である。
 金正恩はウラジオストクでボルシチとかペリメニを食べたそうですね。どの店が提供したのか分かったら、次は伺おうと思います。
2019.04.25 Thursday

小岩ゼテギネア時代

 ウラジオストクについて書いたらアクセスが百倍に増えました!
 などという奇跡は勿論起こらない。ここから百日か一年か、ひたすらにロシア情報でも流し続ければ話は別だろうが、生憎と三泊四日極東分の経験しか持っていない。それもキリル文字すらまともに読めない状態での四日間である。地元の方との会話もほぼなく、すみません、写真、日本人、幾らですか、美味しいくらいしかロシア語を発さなかった。キオスクでバスマップを買ったりカフェに入ったり路面電車に乗ったり軍事博物館で高射砲を回したりと夢は多かったが全て次回に持ち越しである。
 しかし、初めての単独海外旅行はそれでも非常に楽しかった。今まで訪れた台湾やマカオと言った中華圏、ハワイのような全身観光地とは違い、またヨーロッパでありながら観光化されておらず、日本人の気配すら感じない街を歩くのは実にスリリングなものだったし、ガイドブック情報を頼りに訪れたレストランはどこも安くて美味しかった。あと道行く女性が尽く美人で長身でカモシカのごとき脚を持っていた。我々は遺伝子の段階で負けている。
 街行く人種は金髪の白人が多く、女性は上述の通り、男は背が低めでむっちり大きい格闘家体型、それに多少のコーカソイド、中国人と韓国人から成る東アジアのモンゴロイドと多種多様、日曜日には国境から長距離バスで訪れる中国人をよく見かけた。地元民から見ても中国人が多いらしく、ニイハオと声を掛けられる事が何度かあった。まだまだ日本人は馴染みがないようである。だから、昨日の繰り返しになるが、今のうちに行っておいた方が面白いと思います。
 建築は欧州式の古い物が殆どで、日本統治時代の銀行がそのまま裁判所として使われていたりと、関係の深さを感じる。一軒家はない。ソ連時代のアパルトマンをそのまま使い、或いは郊外に住んで仕事は市街地に来る。そのせいか道路の一車線は駐車用に割り当てられ、朝と夕方にすさまじい渋滞が生じる。
 当地にはロシア出兵など、過去うちの国が非常に申し訳ない仕打ちをしたが、今の方々はあまり気にしていないようでもあった。その証左と言えるのかどうか、博物館のお土産屋で日本人である事を告げると、齢八十くらいの婆ちゃんが、日本兵の映る絵葉書を薦めてくれて、こちらが恐縮した程だった。だからって私達がもういいじゃんとか言う訳にはいきませんが。
 ロシアの特徴として、大都市には必ずミリタリーショップがある。ウラジオストクにも三軒くらい。私が入ったのは地元軍人の御用達という店で、プーチンからラブロフからスペツナズっぽい兵士から、物騒なプリントを施したTシャツが所狭しと並んでいた。また大祖国戦争(独ソ戦)への拘りも強い。多くのグッズに1941-45の数字が刻まれている。
 港に出るとその傾向はまた顕著であり、太平洋艦隊本部の近くには戦死者を悼む火が燃え、当時の野砲が空を指し、一つも意味は分からないものの、何となく栄光を讃えるっぽい碑文がそこかしこに見られた。次行ったら少しは読めるだろうか。
 ところで私が訪れた七月一日はウラジオストク市の日である。広場に大きなステージが立ったり目抜き通りでパレードが行われたりと非常に賑やか。お馬さんもいたので皆様、折角訪れるならこの日を含めた旅程にするとよろしい。運が良ければ生でурааа!!(ウラー!!)も聞けます。
2019.04.24 Wednesday

ホ別30kゴム有詐欺

 一昨年の初夏、ウラジオストクに行った。特にその話を書くつもりもないが、聞きたい事があれば逐次質問してください。先輩面で答えます。
 などと書いてもコメントが付くほど読まれるウェブログでもないのは、よく理解しております。いつ更新するのか不明瞭だし内容も特にない。一段落が長く読みづらい。読者に対して開かれていない。十年前はそれが逆に良いとか言われもしたが、今では順によろしくない。見る人が見たら、もっとアクセスを伸ばすためにどうしたとかお説教を喰らわしたくなるような代物である。
 忠言くださろうと思った方、先に謝っておきます。ごめんなさい。二度と来るな。
 ウラジオストクはロシアの極東に位置する風光明媚な商業港かつ軍港として有名である。最近では金正恩がプーチンとの会談に訪れた。あと日本では名の知れた万景峰号が定期的に入港するので、船好きはご存知かも知れない。関係ないけど私は生で見ました、万景峰号。
 だからと皆が羨ましがってくれるという訳ではなく、大方は話す度に興味なさそうな相槌をいただきそれっきりでした。人間、理解する意思の枠を外れると一様に同じ表情を浮かべると知りました。まあ昔からそんなものである。お宅族だからよく分かっている。オタク趣味の合う友人以外からは愛想笑い、無関心、疑念、否定を繰り返されて来たのだから、今更驚くには当たらない。それで私もウラジオストクの話をしなくなった。
 勿論、興味を示してくださる奇矯な方も中にはいる。しかし大体が「何でウラジオストクに行ったの」に始まり「へえ」と半端な感心で終わる。要はロシアへ観光自体が埒外なのである。近いのに。
 そのくせロシアを見ない連中はタイやカンボジアにばかり興味津々で、最近はそこにミャンマーが加わった。遠いのに。
 私から見れば東南アジアを訪れる方がよほど意味不明だが、何となく日本人に優しくしてくれそうな所を目指すのは分かる。皆、人に優しく接しないが自分を労わって欲しい。誰彼構わず台湾を好くのも同じ理由だと思う。親日とか言って、馬鹿みたい。
 まあ台湾は私も好きです。
 ロシア観光省は日本からの観光客受け入れに積極的であり、ウラジオストク、ハバロフスクなど地方地方でビザの簡略化を進めている。今はまだ無理だが、いずれシベリア鉄道にビザ無しで乗れるようになるし、最終的には全面ビザ無し解禁するそうである。日本側も全日空はウラジオストクやモスクワへの定期運行を再開する予定で(日航は運行中)、そこが観光会社と組めばロシア旅行も熱くなるだろう。多分。
 私が訪れた二年前はウラジオストク入りも大使館でビザを取らなければいけなかったし、制度的に個人手配の旅行は困難だった。そこから二年で随分変わったのに、二年の間ロシアが来ると言い続けているのに、一向に来る様子が見られない辺り、ビザ簡略化ごときでは来ないかも知れない。
 そも、昨年はロシアでワールドカップが開催された。そういう時、テレビは観光番組なんかで盛り上げるものだが、ロシアはそうでもなかった。だったら今後も無理じゃねえのか。畜生。国が北を向いていないのだ。
 とは言え流行り好きの日本国民。いつロシア、ウラジオストク、ハバロフスク、カムチャツカ、クリル諸島に目が向くか分からない。そうなる前に唾つけておくと、後々えらそうな顔をできますよ。
2019.04.14 Sunday

アド街拘置所コレクション

 あれやこれやと苛ついて嫌ですね。体調も気分も全くもって優れない。朝は起きられず昼も起きられず夜は眠れず、昔であれば両親から怒鳴られていたところ、今は自堕落さすら許容してもらっており、生ゴミへとまっしぐらである。黒い、否、東京都であれば半透明のビニール袋に包んだらば、吐き出された文旦の袋と何ら見分けが付かない。中身はすかすかの老廃物にまみれた抜け殻が私である。
 であるなら以前は中身も伴っていたのか読者諸賢は訝られることだろうが、大分前は一部上場企業のお茶レディとして毎朝自分のためにコーンポタージュスープやら生姜湯を入れていた。見事な中身でしょう。その後は夕方まで寝たりトイレにこもって過ごしました。定時を回ったあたりからおもむろに溜まった仕事を始め、四時間ほど時間外を稼いで人一倍働いた心持ちになり、満足して帰ったものであります。次の朝は大体遅れ、或いは昼から出勤してまたぞろポタージュを入れました。ポタージュの似合わぬ夏は、家で作り貯めた麦茶をペットボトルに移し、やはり昼から会社に参りました。
 私のいたスーパー一部上場企業は第一京浜スーパー道路の近所にスーパー自社ビルを持っていましたので、暑い日の午後一ともなれば光化学スモッグが発生して地獄の様相です。二十一世紀にもなってスモッグなど。まあ発生してしまったものは仕方がない。
 役所の警報が飛び回る中、目と喉をやられてひいひい言いながら会社に着くと、日が傾くまでは全く仕事になりませんで、高度成長期のサラリーマンよろしく白檀の香りが漂う扇子で自分を扇ぎながら先輩方の心配を一身に受け、身分不相応な態度でコアタイムを凌いだものです。よく首を切られなかったものだ。
 それから四年足らずでさっくり切られ、今に至ります。私はとても仕事のできるスーパーお茶レディでしたので、何とか会社に出ている内は重宝されましたが、流石にずっと休んでいたら駄目でした。二年半。まことに申し訳ない。
 本日はそんな中身の失せた皮袋を大事にしてくれる連れに八つ当たりしてしまい、謝って仲直りはしたのですが、自分の情けなさに希死念慮すら浮かぶ始末です。まこと申し訳ない。大麻でも吸って落ち着きたい。もちろん大麻は持っておりません。コカインも然り。ピエールの使用も致しません。
 ピエール瀧に関しては、二十年も前からアッパー系のコカインとダウナー系の大麻を併用しながら尻尾を掴ませなかった辺り、自分でドラッグコントロールが出来ていたのだと思います。おそらくは役者業で目立って来たため警察の視界に入っただけで、実害はなかったのでしょう。放っておいてやればよろしかったのに。
 とは行かないのが法治国家日本であります。特に、反社会勢力の絡む案件に対して警察は容赦のよの字も忘れたように権力で殴って参ります。
 反社会的行為は慎もう。
2019.04.11 Thursday

白湯デトックスのすすめ

 世間は碌でもないニュースばかり行き交っております。そのようないざこざと関係ない世界に引きこもってしまった身ではありますが、どちらを向いても悪い報せばかりでは流石に気も滅入ります。
 新しいマックオーエス様は、何やら変換機能が気の利いたものになり過ぎて、逆に使い辛い。具体的には勝手に私の文章を予測して漢字を出したり消したり果ては語尾まで提案してくださる。非常に大きなお世話で止めて欲しいが設定を開く方が面倒臭い。こんな風に文句をたらたら書いている現状から類推して、自動的に機能停止してくださらないものか。如何ですか。ヘイSiri。私の言葉を支配するのはいい加減にしてくれないか。
 調べたところ、どうやらライブ変換と名乗る機能だそうで、せっかく頑張ってくれるのに申し訳はありませんでしたが切りました。善意はいらんのであります。
 ライブという語感を見る限り、キータッチの順番からリアルタイムに人間の思考を先取りしてくれるようです。便利なようで恐ろしい。AIの発達を現在進行形で見せつけられた気分です。
 ここから二十五年ほど過ぎれば機械の知能が人間を追い越すそうですから、そこまでの半分か、十年ちょっと経った頃には、ライブ変換の精度も上がるどころかアカウントの個性から裏で調整して、事務的な文章くらい自動的に生成してくれるのではないでしょうか。否、研究機関レベルならその程度は既に実現しているかもしれない。東京大学だかのAIが、ライトノベルのデータベースから新作長編を生み出し、賞を獲ってしまったなんて話があったような気がします。無かったような気もしますが有りそうな話でもあります。込み入った表現で申し訳ないが、計算機の現状は最早どこまでが出来てどこからが未来なのかよく分からない。一世代前の人々が、ビデオゲームをピコピコと一括りにするのに似て、私は先端技術を未知で括って感心してしまう。いつかの未来に踏み込んだ迷子の様相であります。
 年寄りみたいでいけない。元より貧困な想像力を更に狭めぬよう気を付けねばなりません。そしていつか首元にコネクタを突っ込み、ネットの世界に精神を移して永久に読書を楽しみたいと思っております。それが無理ならせめて機械の体を手に入れるか、それができる未来まで冷凍冬眠して行きたい。
 そう言えば、アメリカ横断ウルトラクイズの優勝賞品にコールドスリープ権がありました。後に死亡事故を起こして問題になりましたが、冷凍冬眠って可能なのかしら。出来たとして、ちゃんと意識は消えた状態で眠れるのでしょうか。万一、冬眠中に意識だけ残ったら最悪ですね。と、母が言っていました。同様に、脳みそだけ保存できたとして、剥き出しの神経が滅茶苦茶に痛かったらどうしよう。まこと夢のない話ですが、現実的でもあります。SFから未来、そして実現にこぎつける過程は、かように泥臭いシラミ潰しに違いありません。
2019.04.09 Tuesday

カレーばっか食ってんじゃねえ

 今日も今日とて不審者扱いされる。実際、昼間から街中をうろついてはローアングルで猫を撮ってばかりの不審人物ではあると思うが、分かっていても人に言われると腹は立つ。

 私を蔑むのは、大体が子供を連れた女ばかりである。奴等は何故だか、自分達の善意を疑わない。そして善意は良いものと信じ切っている。だから子供は猫を見ると触りたがるし、馬鹿な母親は止めるどころか「猫ちゃんだねー可愛いねー」なんて言って背中を押す。

 仲良しの猫が怖がりで子供嫌いで制空権に入られたら即引っ掻く子だと知っている以上、私はその旨を伝えなければならないと思う。子供が引っ掻かれると面倒くさいから。結果、八割がた事案である。来月の区報には赤い猫気狂いがローアングルで声をかけてきたなんて書かれるに違いない。ふざけた話ではないか。

 そもそも女は私を不審者のように見るが、お前だって本当にそのガキの母親かどうか分からないじゃないか。本当はそこいらで攫ってきたんじゃねえのか。おい。身分証を見せてみろ。それでなくても頭が悪そうな顔をしやがって。私の猫の方がよっぽど賢い目をしているぞ。くたばれ阿呆め。人を人攫いの異常性欲者扱いしておいて、自分は家でそのガキにキスだのハグだのしているんだろうが。おい本当に母親なんだろうな。性犯罪者ではないのか。

 女とガキはコンビニエンスストアに入ったまま出てこなかった。見ろ、誘拐だ。

 さて、パソコンを新調した。初めての非一体型である。要はマックミニです。ディスプレイどころかメディアドライブも付いておらぬ、ただの起動デバイスであります。折角本体を新調したのだからと、外付けハードディスクもSSDに換装、ブルートゥースマウスとキーボードにでかいディスプレイも入れて、連れのパソコンと色々共有してみました。超かっちょ良く、まるで仕事のできる人間に成り代わった気分です。実際、お茶レディとしては有能でありますが至極どうでもよろしい。そして有線マウスを捨て、ブルートゥースの方はペアリングを切ってしまいましたので、未だ机に乗ったままの旧アイマック様を使おうとすると、キーボードだけで無理矢理動かさなければなりません。すっげえ仕事のできる社員の挙動ですが、現実は無能なお茶レディに過ぎません。ちょっと必要なさそうだからと言って、何でもかんでも断捨離してはいけない。のちのち酷い目に遭いますよ。お前の事だ、ミニマリスト。

 今日はこのくらいにしておいてやる。

2016.10.17 Monday

毎日カレーを食べるブログ

 カレー味の完全食を食べた。ソイレント顆粒バターチキンティッカマサララムサール条約批准バージョンである。これで、本来の意味でのカレーを食べずに更新を続けてちょうど一年になる。往年のファン達はもうここを読んでいないだろうか。当然そうだろう。他にもカレーを食べるウェブログは多数存在するし、食べログの公式キュレーターだって似たような事をやっている。私よりカレーへの情熱を持った人間、文才に溢れた方々は巷に溢れているのだ。彼らが365curryの跡を継いでくれるに違いない。否、いささか自嘲的にはなるが、最初から誰かに繋ぐようなコンテンツではなかったのかもしれない。大きな事を書いてはみたが所詮は素人の手習い。レビューや分析に命を賭ける連中には及ぶべきもない。そう、コンビニやレトルトに手を出した時点でさっさと看板を下ろすべきだった。
 それが出来なかったのは、日参してくださる読者達の存在があったからだろう。彼ら(You!)は時にコメントを残し、ウェブ拍手やウェブ投げ銭、アマゾンの乞食リストを使った支援、ニコニコ動画で口座番号を晒した直後からのカンパ、家事手伝い、開店資金の援助、オフパコ、人身売買、武器密輸、フリーメイソンへの入会斡旋まであらゆる分野で私を支えてきてくれた。
 では、何が私をここまで追い詰めたのか。顧みるに、潮目が変わったのは、モンサントと関わった時だろう。
 始まりは一通の電子メールだった。ウェブログの一角に小さな広告を出すだけで月百万円もの金が入るという、今般小学生でも引っ掛からない文面である。当然私とて無視を決め込んだのだが、毎日私の起床時間に合わせてメールは届き続けた。更に、どこから入手したのか私の携帯電話に留守電が入った。
「コンニチワ、モンサントノ、ビルデス。ゴテンショーバクシンケン」
 流石に少し面白くなって、つい話を聞いてしまったのが運の尽きである。一時間も経たぬ内、JR新宿駅東口の雑居ビルに事務所を構えるモンサントで明日会いましょうと、私は上機嫌で申し出ていた。
 ウェブ広告の契約条件は破格だった。最初のメールに書かれていた通り私は百万円/月の収入を得て、最早サポートセンターのアルバイトに勤しむ必要はなくなった。
 しかし、慢心と破滅は表裏一体である。間もなく私は無断遅刻に無断欠勤を繰り返すようになり、十年余で培った信用を瞬く間に失った。加えて金をバックにした不遜な態度である。かつては記事を書いたりフェイスブックに投稿するだけで集まったいいね!はすぐに消え失せ、飲み会も私抜きで開催されるようになり、ラインではグループから外された。そのような凋落ぶりにも関わらず、いや、むしろそこから目を背けるように、私はモンサントの広告を打ち続けた。危険と言われる遺伝子組み換えカレーにも手を出し、行きがかりからソイレントの宣伝まで買って出た。最早私を褒めてくれるのはビルだけだったからだ。
 あれから一年。暗闇の中、古びた液晶パネルに映る顔は目が落ち窪み、肌はダストボウル時のグレートプレーンズを思わせる。やせ細った指先から異常に分厚い爪だけが、猛禽類の鋭さで弧を描く。
 どこで間違えたのだろう。ソイレントか、モンサントか、或いはカレーに魅せられた瞬間だったのか。そうだ。カレーなど毎日食べると言わなければ今でもささやかで温かい人生が続いていたに違いない。カレーが憎い。カレーが、インド人が、大槻ケンヂが。スパイスなどこの世に存在しなければ。ニール・ヤングの声が聞こえる。そう、スターバックスとモンサントはいらない。
 嗚呼、クミンの天使が呼んでいる……。
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